学校DXで「消えるホームルーム」を、オンラインフリースクールがあえて毎朝実施する理由

毎朝8時40分。

シン・ガッコウ Schorbitの1日は、オンラインのホームルーム(HR)から始まります。

授業も自習も面談もすべてオンラインで完結する環境において、「そもそもオンラインでホームルームって何をやるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

今回は、私たちがオンライン環境であえてホームルームを実施する理由と、その中身についてお話しします。


■ 「事務連絡の場」としてのホームルームは終わった

従来のホームルームを振り返ってみてください。

出席確認、事務連絡、配布物の回収、提出物のリマインド。これらがHRの中心でした。

しかし現在、DXによってこれらの機能はほぼ不要になっています。出欠はログイン状況で把握でき、連絡はチャットで十分。配布物や提出物もクラウド上で一瞬で完結します。

お察しの通り、これはオンラインフリースクールであるSchorbitに限った話ではありません。GIGAスクール構想以降、1人1台端末が行き渡った全国の学校で、同じことが起きているはずです。

では、事務的な役割が消滅した今、ホームルームにはもう存在意義がないのでしょうか。

事務機能がDXで代替されるなら、学級という枠を無くし、朝からすぐ授業に入れば効率的です。

実際、通信制高校やオンライン学習サービスの多くは、そもそも朝のホームルームの時間を用意していません。学習コンテンツの提供と個別の学習支援に特化し、集団で顔を合わせる時間そのものを設計していないケースがほとんどです。

しかし、Schorbitをゼロから設計する際、私は「ホームルームは絶対に必要だ」と考えていました。なぜなら、ホームルームの本質的な価値は、事務処理ではなく「別のところ」にあるからです。


■ ホームルームは「知のウォーミングアップ」の時間

直感的にわかることとして、ホームルームの時間はON/OFF切り替えの時間になっています。この時間がないと、家にいたときの状態のまま授業が始まってしまい、集中できなくなります。

しかし、ホームルームの役割はそれだけではありません。Schorbitでは、ホームルームで特定の教科に収まらない「基礎教養としての知的刺激」を提供しています。

たとえば、時事ニュースの読み解き、科学と社会の接点、言葉の使い方について考えるトピックなど、まるで新聞の社説を一緒に読み解くような時間です。

これは目先の試験対策ではありません。しかし、教科を横断するような知識に興味をもつことは、大学での学びや研究の素地、もっと言えば社会に出てから物事を多面的に考えるための土台となります。

かつての学校でも、こうした役割は実は担任が無意識のうちに果たしていました。朝のHRでニュースに触れたり、最近の出来事について一言コメントしたりする教員は少なくなかったはずです。

こうした毎日の積み重ねは、実は希望進路の決定にも大きな影響を与えてきました。「先生がこんな話をしたところから興味をもって○○学部を志望するようになった」というのは、学校にいれば時折耳にする話です。

ただ、それは制度として設計されたものではなく、個々の教員の裁量に委ねられた属人的な営みでした。

Schorbitではそれを属人的なものにせず、日課として意図的に組み込んでいます。代表である私が毎朝テーマを選び、生徒たちと対話のキャッチボールを行う。教科横断的な学びの時間として、時間割の中に明確に位置づけているのです。


■ ホームルームの具体例を紹介

すでにサービス開始から2か月半が経ち、多くのホームルームをしてきました。いくつか具体例をご紹介しましょう。テーマだけ見ると難しそうに感じるかもしれませんが、実際は、中学生でも高校生でもどんな学力帯の生徒でもついていけるように噛み砕いて説明しています。

1/15のHR:終わったばかりの高校生ビジネスプラン・グランプリの映像を流して感想を述べあいました。生徒目線でみると、起業のアイデアというより大舞台でプレゼンするところに惹かれるようですね。
1/23のHR:共通テストの時期は世界各国の共通テスト事情を紹介し、いろんな国の問題を解いていきました。アメリカのSATのような有名どころだけではなく、ブラジルのENEM等も紹介しています。こちらは仮想通貨(ポルトガル語でcriptomoedas)をテーマにした問題。
2/2のHR:話題となっていたレアアースを取り上げました。周期表のどこの話かという基礎から始まり、採掘や分離抽出の方法や、EV等への活用まで。物理・化学・生物・地学のすべてを横断するテーマでした。
2/9のHR:スーパー戦隊シリーズが終了するというニュースから、IP(知的財産)の収益構造について考えてみるというテーマでした。なぜ仮面ライダーは生き残れるのか、とか。
3/3のHR:この時期は国立2次の問題、特に東京大学の問題を少しずつ紹介していました。ここでは地理探究で出題された、ASEANの貿易を題材にした問題を解説しています。
3/16のHR:ここ最近はランキングとクイズという形式にしていました。こちらは2025年の邦画興行収入ランキング1位をあてる問題です(実は『国宝』は2位です)。

いかがでしょうか。

これらはいわゆる探究学習でもあり、横断的な学習でもあります。毎日このような話をききながら、興味関心を広げつつ、ジワジワと脳を勉強モードに切り替えていく時間。それがSchorbitの提供するホームルームの価値です。


■ すべての学校が問い直すべきこと

今回お話ししたホームルームの質的変化について、改めて考えてみましょう。

これは何もオンライン教育に限った話ではありません。

対面の学校でもDXが進めば、「事務処理が減ったホームルームの時間を何に使うか」という問いに直面します。多くの場合、時間が短縮されるか、惰性で形式だけが続くか。どちらかではないでしょうか。

毎日顔を合わせる集団が、教科の枠を超えて知的な刺激を共有できる貴重な時間。それを単なる事務連絡で終わらせてしまうのは、あまりにもったいないことです。

ゼロからオンラインで学校を立ち上げたからこそ、この問いに最初から正面から向き合うことができました。そのSchorbitなりの答えが、「基礎教養(≒探究学習・教科横断学習)としてのホームルーム」です。

よく他人から、Schorbitの最大の特徴をきかれることがあります。一言で説明するのが難しいのですが、ある意味で、時流に「逆張り」していることだと考えています。

世の中の多くの不登校支援は、負担を減らすためにカリキュラムを軽くする方向に進みがちです。それが最適な子どもが少なくないことも事実です。ですが、あらゆるサービスがその方向に進んでしまうと、この国の学校教育が果たしていた役割はどんどん縮小してしまう一方です。

実は、Schorbitはそうではありません。オンラインで進学校をシミュレートするというコンセプトにしたがって、学校の役割を極力そのまま受け継ぐことを目指しています。だから、「逆張り」しているのです。

不登校だからといってカリキュラムを「引き算」する必要はない

学校に通えなくても、学校と同じ、いやそれ以上の質の高い学びができるように。
このホームルームが好例ですが、そんな思いで活動しています。


■ 進路に悩む不登校の中高生、募集中

ということで、今回はSchorbitの毎朝のオンラインホームルームをご紹介しました。

こうした取り組みは、不登校の生徒の生活リズムを改善し、進路や学習への関心を呼び起こします。そうした習慣さえ続けば、学校に行かないままでも、勉強のやる気を出し、高校受験や大学受験を突破することは十分に可能です。

実は、私たちSchorbitは、中学・高校それぞれの段階で自宅からの受験を支援しています。

中学生向け、高校受験対策のSchorbit REBOOT
高校年代向け、大学受験対策のSchorbit

この2つで、進路に悩む不登校の子どもを再び軌道にのせるためのサポートを行います。

詳しくは該当する画像をクリックしてください。皆様の参加を心よりお待ちしております。