不登校からUniPathへ?
名称変更の歴史と進路という課題

■ 不登校からUniPathへ?

先日、群馬県が不登校の児童生徒を「UniPath(ユニパス)」と呼び変えるという発表を行い、話題となりました。「Unique(独自の)」と「Path(道)」を組み合わせたこの造語には、不登校を否定的なものではなく、多様な選択肢の一つとして捉え直そうという意図が込められています。

この試みに対し、インターネット上では様々な議論が交わされていますが、私たち「シン・ガッコウ Schorbit」は、単なる名称の是非にとどまらない、より構造的な課題に目を向ける必要があると考えています。

本記事では、教育現場の歴史的背景と統計データを踏まえ、今本当に求められている支援のあり方について、私たちの見解を述べさせていただきます。


■ 「不登校」という言葉の法的・統計的定義

そもそも「不登校」とは、どのような定義に基づいているのでしょうか。

実は、この言葉が法律用語として明確に定義されたのは、2016年の「教育機会確保法」施行以降と、比較的最近のことです。

そこでの定義は、「相当の期間学校を欠席する児童生徒であって、学校における集団の生活に関する心理的な負担その他の事由のために就学が困難である」というものです。とはいえ、これはたかだか10年前に定められたばかりのもの。

一方で、文部科学省が毎年実施する「学校基本調査」においては、不登校という言葉が長らく統計上の区分として用いられてきました

そこでの定義は「病気や経済的理由を除き、年間30日以上欠席した者」とされています。年間30日といった具体的な基準はここで初めて登場します。

もちろん、これは児童生徒の心理状態や背景を問わず、あくまで行政が欠席日数を把握するための統計上のラベルに過ぎません。

さらに歴史を遡ると、1997年度(平成9年度)まで、この統計項目の名称は「学校ぎらい」とされていました。

今日では信じがたいことですが、かつて教育行政は、学校に行かない理由を「学校が嫌いだからである」という主観的な言葉で分類していたのです。

その後、世間一般で使われていた「登校拒否」という言葉も、より中立的な表現が求められる中で、現在の「不登校」へと統合されていったのでした。


■ 名称変更と行政システム

こうした歴史的経緯を踏まえると、今回の「ユニパス」への名称変更も、時代の変化に伴う一つの動きとして理解できます。

実際、今回の「ユニパス」という名称は、群馬県の高校生(リバースメンター)からの提案がきっかけとなって生まれたと聞いています。当事者に近い世代が、自分たちのあり方を前向きに定義し直そうとする姿勢は、非常に素晴らしいものです。

しかし、それを「県」という行政機関が公式な呼称として採用・決定するプロセスについては、やはり一歩立ち止まって考える必要があります。

たとえ発案が高校生であったとしても、県がそれを採用した時点で、それは「行政用語」としての性質を帯びます

県はあくまで国(文部科学省)と連動する行政機構の一部です。国への報告や法的な手続きにおいては、依然として「不登校」という言葉や「30日ルール」が厳格に適用されます。同じ行政システムの中で、県だけが独自の名称を強引に定義することは、現場に無用な混乱や齟齬を生じさせる懸念があります。

歴史を振り返れば、「登校拒否」という言葉が「不登校」へと変わっていった過程も、現場や当事者の間で違和感が共有され、自然と新しい呼び方が定着していった流れを、後から行政が追認した側面がありました。

言葉とは本来、そうやって当事者や現場の中から自然に生まれ、広がっていくものです。

行政の役割は、新しい名前を決定して広めることではなく、現場で自然に使われ始めた言葉や文化を、柔軟に制度の中へ受け入れていくことではないでしょうか。

もっといえば、名称を変えるというアクションそのものよりも、実態がどうであるかということにこそ、私たちが考えるべき課題が潜んでいるように思えます。


■ 通信制高校生が直面する「進路の壁」

呼び名が変わったとしても、学校に通っていない期間に生じる「学習と進路の課題」は解決しません。

不登校や通信制高校への転入学を選択した生徒にとって、最大のハードルは「周囲の目」ではなく、「卒業後の進路」です。(その瞬間は「周囲の目」の方が気になるかもしれませんが、生涯に渡って影響するのは進路だけです。)

文部科学省のデータによれば、全日制高校卒業生の約7割が大学等へ進学しているのに対し、通信制高校卒業生の進学率は2〜3割程度にとどまっています。さらに深刻なのは、進学も就職もしていない「進路未決定者」が約3割存在するという事実です。

「学校に行かなくてもいい」「そのままでいい」という言葉は、子供の心を一時的に救うかもしれません。

しかし、その結果として基礎学力が低下し、将来の選択肢が狭まってしまうのであれば、それは真の支援とは言えません


■ Schorbitが提示する「具体的な道(Path)」

ここで、私たちシン・ガッコウSchorbitの話をさせてください。

私たちが提供するのは表面的なケアではなくて、本質的なサポートです。

新しい名前を作ることではなく、学校という既存のレールに乗らなかった生徒たちが、未来へ進むための「具体的な道(Path)」を整備することです。

Schorbitは、通信制高校生や高校中退経験者が、難関大学受験をも視野に入れて切磋琢磨できる「オンライン進学校(学習コミュニティ)」です。

学校に通えていなくても、自宅で質の高い学習を行い、確かな学力を身につける。そして、一般受験や総合型選抜を通じて希望の大学へ進学する。

そうして自らの力で未来を切り拓いたとき、「不登校」という過去は、乗り越えた一つの経験(キャリア)へと変わります。

「名前は何でもいい。重要なのは、あなたがどう進むかだ」

私たちは、独自の道を歩むすべての子どもたちとその保護者の皆様を、現実的かつ具体的な学習支援でバックアップしてまいります。


■ 第1期生、募集中です

不登校という用語の変遷から、その実態まで。
さらには、私たちSchorbitの取り組みについてご紹介させていただきました。

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一緒に、不登校を乗り越えましょう。