不登校からの高校入試ガイド
【埼玉 編】
公立・私立の選択肢と制度を完全解説

要約:埼玉県の不登校からの高校入試ポイント
■ 不登校でも埼玉県の高校入試に合格できる?
「出席日数が足りないから、高校には行けないかもしれない」
「定期テストを受けていないから、通知表は空欄や斜線ばかり……」
もし、そんな不安から高校進学を諦めかけているとしたら、いますぐ安心してください。
実は、埼玉県の高校入試は、不登校の中学生にとって非常に「希望が持ちやすい」仕組みが整っています。他県と比べても、不登校であることが進学の決定的な壁になりにくいのが特徴です。
最大の朗報として、現在の中学1・2年生が受験する2027年度(令和9年度)から、公立高校の調査書(内申書)から「欠席日数」の項目が完全になくなるという大改革が予定されています。また、現在の制度でも、内申点や欠席日数を除外して合否を判定する「特別な選抜」がしっかりと用意されています。
私立高校においても、事前の個別相談の活用や、当日の点数中心で評価される2月の一般入試など、実力を証明して合格を勝ち取るルートが存在します。
つまり、埼玉県において不登校を理由に高校進学を諦める必要はまったくありません。重要なのは、無理をして中学校へ行くことではなく、埼玉県の入試制度を正しく理解し、自分に合った準備を進めることです。
特に、学習面において。
この記事では、埼玉県の高校入試制度(公立・私立)を「不登校生の視点」から徹底的に分析しました。制度の正しい知識があれば、全日制高校への道は十分に開かれています。まずは、どのような仕組みになっているのかを知るところから始めましょう。
なお、この記事は、埼玉県内の高校で長年教員として勤務し、実際に入試業務にも携わってきた人物が執筆しています。
学校側の内情や評価の仕組みを熟知している立場から、不登校の生徒と保護者の方が「本当に知るべき正しい情報」をまとめました。入試に関わる機密情報や、私立高校における暗黙の了解(いわゆる確約など)については、各種教育機関への配慮から表現を少しオブラートに包んでいる部分もありますが、現場の実態から外れないよう、できる限り正直にお伝えしています。
(※以下は2026年3月初旬時点で調査した情報を基にしています)
■ 不登校生が埼玉県の公立高校受験を突破するには?
重要 | 2027年度から埼玉県の公立入試はどう変わる?
現在の中学2年生が受検する2027年度(令和9年度)から、埼玉県の公立高校入試は大きく変わります。調査書から「欠席日数」が消え、「全員面接」が導入されるなど、不登校生にとって非常に重要な転換点となります。
この変更に伴う記述は、埼玉県庁のこちらの特設サイト「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報 – 埼玉県教育委員会」からの情報を基にしています。また、複数の資料があるため、ソース元のpdfファイルの名前を随時参考として示しています。
調査書(内申書)から「欠席日数」や「部活動」がなくなる
これまでの調査書には欠席日数や部活動の記録が記載されていましたが、新制度ではこれらが項目としてなくなります。(参照元:令和9年度学力検査問題について p.2)
記載されるのは「各教科の学習の記録(9教科5段階の評定)」と「総合的な学習の時間の記録」のみとなります。不登校による欠席日数の多さが書類上のマイナス点として直接的に残らなくなるため、大きな安心材料といえます。
「自己評価資料」の提出と「全員面接」の導入
調査書の簡素化に伴い、全ての受検生が「自己評価資料」を提出し、それを基にした「面接」を受けることになります(令和9年度学力検査問題について p.2)。単なるテストの点数だけでなく、生徒自身の意欲や表現力が多角的に評価される仕組みです。
自己評価資料の提出:出願時に、これまでの取り組みや自己PRをまとめた資料の提出が必須となります。これは面接の補助資料として活用されます(令和9年度学力検査問題について p.2)。
全員面接の実施:これまで一部の学校のみだった面接(基本点30点)が、すべての高校・学科で実施されます。My Voice(マイボイス)という約1分30秒〜2分の時間が設けられ、自身の体験や将来の目標を自分の言葉で表現する力が求められます(面接リーフレット)。
不登校の中学生にとって、面接はできることなら避けたいものかもしれません。しかし、調査書の記載内容で自動的に不利益を被るのと比べれば、面接試験は平等であり、今回の変更は不登校にとって希望が持てるものといえるでしょう。以下のような面接の性質をよく理解し、うまく切り抜ければ逆転合格も夢ではありません。
- 面接では、目立った実績や成功体験が問われるわけではありません。日常の中で工夫したことや悩みながら続けてきたことなど、自分の歩みや思いを言葉で表現することが求められます(面接リーフレット p.2)。
- 過去の欠席よりも「なぜそれに取り組んだのか」「高校でどうしていきたいのか」という未来への意欲を伝える場となります。(面接リーフレット)
不登校生の面接対策については、Schorbitが作成した以下のYouTube動画が参考になるかもしれません。
部活動等の扱いはどうなるのか?
なお、部活動等の記載が調査書からなくなることも注意が必要です。
これまで部活動や習い事、あるいは資格取得やボランティア活動などの情報は、調査書の記載をもとに合否判断の材料とされていました(と言われています)。ところが、その記載がなくなり、代わりに自己評価資料に自ら記載して面接でアピールする必要がでてきました。
つまり、「部活動をがんばったら自動的に評価される」ということはなくなり、「部活動のがんばりを語って初めて評価される」ことになります。まだ実施前のため、いくらかは推測になりますが、おそらく以下のような違いがあります。
- 習い事と部活動の境界はなくなったと考えて構いません。
- リーフレットにある通り、大会実績等よりも「なぜその取り組みをしたのか」「どんな気持ちで続けてきたのか」が自分の言葉で語れることが重要になります。
この変更もまた、不登校生にとっては喜ばしいものです。これまで学校の評定以外にも「特別活動のその他が空欄」であることがマイナスに働きがちであったのが、ある程度緩和されることになるからです。
学力検査が「マークシート方式」と記述式の併用に
その他には、5教科すべての学力検査において、マークシート方式と記述式を組み合わせた解答方法に変更されます(学力検査問題リーフレット p.1)。
- 検査時間は1教科50分で変更はありません。
- 難易度もこれまでと同等とされているため、日頃の基礎的な学習を積み重ねることが大切です(学力検査問題リーフレット p.2)。
不登校生への影響は? 現行制度と新制度の比較
新制度になることで、一般選抜において欠席日数が問われなくなるため、不登校生も特別な枠を使わずに一般の受検生と同じ土俵で勝負しやすくなると推測されます。
2027年度からの新制度と現行制度(令和8年度まで)の違いを整理します。
新旧の評価方法・試験形式の比較
| 項目 | 現在(令和8年度まで) | 新制度(令和9年度以降) |
| 欠席日数の記載 | 記載される(年間10日以上は理由も記載) | 記載されない |
| 面接の実施 | 一部の学校・特別な選抜のみ | 原則として全員実施 |
| 自己アピール | 特別な選抜等で「自己申告書」を提出 | 全員が「自己評価資料」を提出 |
不登校による欠席日数の多さが書類上のマイナス点として直接的に残らなくなることは、現在不登校で悩んでいる中1・中2の生徒にとって大きな安心材料といえます。面接試験には不安が残るかもしれませんが、これまでより筆記試験での得点という実力勝負の側面が強くなるものと思われます。

■ 「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」とは?
現在(令和8年度入試まで)の中3生には、「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」という特例措置が設けられています。これは、一過性のつまずき等によって不本意な中学校生活を送ったものの、高校進学への意欲を持つ生徒を対象としたものです。
定員の大半が決まる「第1次選抜」で内申点が除外される
埼玉県の公立入試では、定員の多く(60〜80%)を最初の「第1次選抜」という段階で決定します。この特別な選抜を利用すると、この第1次選抜において、合否判定の際に大きな配慮が受けられます。
- 判定方法の違い:調査書の「学習の記録(内申点)」と「出欠の記録」を選抜の資料としません。
- 総合評価の仕組み:代わりに、5教科各100点満点の学力検査の得点、個人面接、そして出願時に提出する「自己申告書」の内容などを総合的に評価して合否が判定されます。
対象となる条件と必要な手続き(中学校長の承認)
この制度を利用するための「年間〇日以上の欠席」といった明確な日数の基準は、教育委員会の要項には記載されていません。
- 中学校長の承認が必須:出願にあたっては、在学中学校の校長が「この特別な選抜に該当する」と認める必要があります。
- そのため、日数だけでなく別室登校などの実情も含め、まずは中学校の担任や進路指導の担当教員と十分に相談することが入試準備の第一歩となります。
通知表が「オール1」や「斜線(空欄)」でも大丈夫?
この制度があることから、埼玉県の公立高校はすでに不登校生でも高校入試で対等に戦えるようになっています。結論からいえば、定期テストを受けていない等の理由で通知表の評定がふるわないこと(オール1等)は気にする必要がありません。
- 成績が「1」や「斜線」になる背景:不登校により定期テストが受けられない場合、成績が「1」になるケースや、公的なルールに則って評定欄に斜線が引かれ「長期欠席により評定不能」と処理されるケースがあります(令和8年度実施要項 p.34)。
- 特別な選抜での扱い:調査書に「1」が並んでいても「斜線」であっても、この特別な選抜が適用された場合、そもそも「各教科の学習の記録(内申点)」自体が合否判定の資料から完全に除外されます(入学者選抜要領 p.105)。
つまり、公立高校の入試について「オール1だから合格できないのでは」と過度に心配する必要はありません。中学校側がどのような成績処理を行っていたとしても、この特例枠に入ることができれば、当日の学力検査や自己申告書、面接などの結果で評価してもらえます。
【予測】2027年度以降(新制度)の特別枠はどうなる?
新制度で調査書から「欠席日数」が消えても、「各教科の評定(1〜5の成績)」は記載されます。したがって、不登校により定期テストが受けられない生徒が不利益を被らないよう、現行に準ずる特例(配慮)は2027年度以降も何らかの形で残る可能性が高いと考えられます。
このように、埼玉県において不登校生の公立高校の受験は十分に可能です。現行制度でも不登校生向けの「特別な選抜」が用意されており、新制度では一般選抜そのものが不登校生に不利になりにくい仕組みへ変わります。

■ 全日制以外の「新しい学校」の選択肢はある?
実は、埼玉県には毎日朝から通学する全日制以外にも、自分のペースやライフスタイルに合わせて学べる公立高校があります。ここでは「パレットスクール(多部制)」と「通信制」の2つの選択肢をご紹介します。
埼玉県の新しい定時制「パレットスクール」とは
埼玉県には、不登校を経験した生徒などを積極的に受け入れる「パレットスクール」と呼ばれる新しいタイプの定時制高校が3校あります(東京都の「チャレンジスクール」にあたる埼玉独自の制度です)。
定時制とはいっても、通う時間帯(午前・午後など)を選べる「多部制」と、自分の興味に合わせて時間割を作る「単位制・総合学科」を採用しているのが特徴です。
- 3年での卒業も可能:基本は1日4時間の授業で4年かけて卒業しますが、他の時間帯の授業を追加で受ける(他部履修)ことで、全日制と同じ「3年間」での卒業が可能です。
- 自己管理を促す校風:チャイムが鳴らない「ノーチャイム制」を導入し、生徒の自主性を重んじる工夫がされています。
【埼玉県のパレットスクール一覧】
| 学校名 | 部制 | 時間帯の選択肢 |
| 戸田翔陽高校 | 3部制 | Ⅰ部(午前)・Ⅱ部(午後)・Ⅲ部(夜間) |
| 狭山緑陽高校 | 2部制 | Ⅰ部(午前)・Ⅱ部(午後) |
| 吹上秋桜高校 | 2部制 | Ⅰ部(午前)・Ⅱ部(午後) |
参考サイト: 各校の詳しい特徴やパレットスクールの制度については、以下の解説記事も参考にしてください。

通信制高校の仕組み
埼玉県には公立の通信制高校があります。通信制高校とは、自宅での学習(レポート提出)を基本とし、定期的なスクーリング(面接指導)を受けるスタイルです。
毎日の通学負担を大きく減らしながら、高校卒業資格の取得を目指せます。
昨今、私立の通信制高校(特に広域通信制高校)が人気ですが、実は公立の通信制高校もあり、県内では、大宮中央高校に通信制課程が設置されています。
パレットスクールにしても通信制高校にしても、基本的に入学のハードルは高くありません。相性がよさそうな場合は、こうした高校を選択することも選択肢の1つとして考えておくとよいでしょう。
■ 不登校から埼玉県の私立高校に合格するには
埼玉県の私立入試でよく聞く「確約」の本当のところとは?
埼玉県内の高校入試の世界では、よく「私立高校の確約が……」といった会話が出てきます。結論から言うと、この「確約」という言葉はあくまで俗語であって、文部科学省や埼玉県も認めておらず高校の募集要項にも存在しません。うっかり私立高校の教職員に「確約はもらえますか?」などと尋ねないように注意しましょう。
しかし、「確約」が存在しないことは確約のような制度が存在しないことを意味しません。極めて修辞的な言い回しですが、私立高校には個別相談という文化があり、そこで事前に合格可能性がある程度明らかになる現状があります(より正確にいえば、あると噂されています)。
ここでは、事実上の合格目安となる「事前の個別相談」という正式な仕組みに基づき、正確な事実を解説します。
個別相談で「確約」をもらうという風習はあるのか?
埼玉県の私立高校入試において、最も重要となるのが秋から冬にかけて行われる「個別相談会」です。
多くの私立高校の入試において、出願前にこの個別相談会へ参加し、中学校の成績や模試の結果を見せて「合格の可能性」を確認することが独特の風習となっています。基準を満たした場合、「この成績なら合格の可能性が高い」という事実が示されます。
これが安心材料として広まり、いつしか「確約」という俗語で呼ばれるようになりました。なお、くどいようですが、「確約」は公的な制度ではないため、高校側がこの言葉を使うことはありません。
実際には「合格の絶対保証」ではないという前提
個別相談で良い感触を得たとしても、それは「合格の絶対保証」ではないという点には注意が必要です。世間の「確約」イメージと実態の違いをまとめると以下の表のようになります。
| 項目 | 確約のイメージ | 実際のルール |
| 制度の有無 | 存在すると思われがち | 公式には存在しない |
| 当日の試験 | 白紙でも受かる | 著しく点が低いと不合格になる |
| 面接・態度 | 問題視されない | 面接態度や欠席状況で不合格になる |
入試当日の得点が極めて低かったり、面接での態度が著しく悪かったりした場合は、事前に良い評価を得ていても不合格になるケースがあると思った方がいいでしょう。
あくまで「今の成績なら基準を満たしている」という確認であると認識しておくことが大切です。
私立の「個別相談」の実態とは?何を持参すればいい?
個別相談には「相談」という名前がついていますが、実態は「中学校の成績や模試の結果を持参し、高校側の求める合格基準(確約の目安)に達しているかをチェックしてもらう場」です。
そのため、自分の学力を客観的に証明できる資料を忘れずに持参することが何よりも重要になります。
個別相談は「成績クリアの確認」をする場所
これまでの埼玉県の私立入試において、個別相談は「今の成績で合格できそうか」を数字で確認し合うためのものでした。基準を満たしていることが確認できれば、事実上の合格の保証(らしきもの)をもらうことができます。
逆に言えば、手ぶらで行って「受け入れてもらえませんか」とお願いをする場ではないため、必ず以下の資料を準備して臨みましょう。
通知表、北辰テスト、英検などの客観的データがカギ
個別相談で最も重視されるのは中学の通知表であることは間違いありません。ところが、不登校生はここが空欄だらけであったりオール1であったりします。
不登校で中学校の通知表に成績がついていない場合でも、実力を証明できる客観的なデータがあれば前向きに評価してもらえます。多くの私立高校で、以下の資料が重視される傾向にあります。
| 持参すべき資料 | 概要と評価のポイント |
| 北辰テストの成績表 | 主に中3の7月〜12月実施分。埼玉県の私立入試で最も重視される模試データです。 |
| 校長会テスト・実力テスト | 地域の中学校で統一実施されるテストや校内実力テストの結果も、学力の証明になります。 |
| 英検・数検などの資格 | 3級以上などを取得していると、基準となる偏差値に加点される学校があります。 |
全く中学校に通えていなくても、模試でしっかり得点できていたり、英検を取得していたりすれば、「中学生として標準的な学力がある」という有力な証明になります。不安な気持ちがあるかもしれませんが、まずは模試を受けて実力を把握しておくことが大切です。

また、不登校になった原因が病気である場合、診断書などを持参することもあるかと思います。しかし、診断書に記載された不登校の原因は高校側の知りたい情報ではないため、あまり価値がありません。
例えば、発達に特性があったりLGBTQ+であったりといった場合は、いわゆるインクルーシブ教育の観点から、高校側は可能な限りの配慮を行う必要がありますし、それを事前に相談することは道義的にも正しいのですが、ここで取り上げている合格しやすくなるといった効果は見込めません。
私立の「個別相談」で欠席日数はどう評価される?(現状と今後の予測)
とにかく私立高校の個別相談では、成績の目安となるものや通知表をもっていき、高校側から目安に達しているかなどの助言をもらうことになります。
その際、学校によって基準は異なりますが、中学3年生での欠席日数が重視される傾向にあります。
一定基準を超えると「合格の目安」が適用されないケースもありますが、中1・中2の欠席には寛容な学校も多いため、今からでも十分に対策は可能です。
現在の傾向:「中3」の欠席日数と「別室登校」の扱い
個別相談では、学力だけでなく「欠席日数」や「内申点の状況(評定に1がないか等)」も審査の基準に含まれることが多くあります。
- 学年ごとの評価:中学1年・2年の欠席が多くても問題視されない学校は比較的多くあります。焦る必要はありませんが、中学3年で10〜20日以上欠席していると、審議の対象になる(または基準を満たさないと判断される)傾向があります。
- 別室登校の扱い:中学校の通知表には欠席日数が記載されますが、「別室登校」で出席扱いになっている場合、高校側には実態が見えにくいことがあります。個別相談等でその事実がわかった際、高校側の判断が厳しくなるケースもあります。
【予測】2027年度以降、私立の個別相談はどう変わる?
すでに解説した通り、2027年度(令和9年度)から公立高校の調査書には「欠席日数」が記載されなくなります。しかし、私立高校が欠席状況を全く気にしなくなるわけではないと思われます。
私立高校は独自の基準で入学者を選抜するため、公立の調査書から日数が消えたとしても、個別相談の場などで「直近の登校状況」や「高校生活への適応可能性」を何らかの形で確認しようとする可能性が高いと考えられます。つまり、個別相談に事実上の面接試験のような役割が課される可能性があります。
これについてはまだ実施前のため、たしかなことは言えませんが、いずれにしても個別相談の在り方が変化することは間違いなさそうです。
出席日数に寛容な私立高校はどうやって見つける?
欠席が多くても受け入れてくれる私立高校は確かに存在します。「彩の国進学フェア」などの合同相談会や、各校の説明会に直接足を運んで確認するのが最も確実なルートです。
電話相談はNG。直接の相談が必須な理由
「欠席日数が多くても受け入れてもらえるか」といった個別の事情は、高校に電話で問い合わせても対応してもらえません。直接顔を合わせて事情を伝えることが大切です。
- 合同相談会の活用:夏以降に開催される「彩の国進学フェア」などの大規模イベントで、各校のブースを回り直接担当者に事情を話すのが最も効率的です。
- 学校説明会への参加:合同相談会に参加していない学校の場合は、その学校が実施している説明会に足を運び、個別相談の時間を設けてもらう必要があります。

単願受験による基準緩和の可能性
上述のように、出席日数の基準を柔軟に設定している高校や、不登校生徒の受け入れに積極的な高校も存在します。諦めずに情報を探すことが第一歩です。
また、他の高校を受験しない「単願(専願)」で出願する場合、併願に比べて欠席日数の基準や学力の基準が緩和され、寛容になる学校もあります。志望校の基準を事前に確認し、自分の状況に合った受験方法を選ぶことが大切です。
個別相談では不登校のことをどう伝えればいい?
不登校生の個別相談の際には、現在の通学状況や学習状況などを説明する必要があります。ここで大切なのは、不登校になった原因ではなく、「高校から頑張れる根拠」を、保護者ではなく「生徒本人の口から」直接伝えることです。
すでに紹介していますが、Schorbitが独自制作した以下のYouTube動画が参考になります。
保護者ではなく「生徒本人の口から」伝える
埼玉県の私立高校の個別相談は、生徒本人と保護者が同席するケースが一般的です。その際、不登校になった過去の原因(いじめや人間関係トラブルや家庭事情など)を細かく説明する必要はありません。高校側が最も知りたいのは、「高校に入学してから、前向きに毎日通い続けられるか」という未来の姿です。
- 自分で中学校の内容を学習し、高校の勉強についていける準備をしていること
- 毎朝決まった時間に起きるなど、体力的な生活リズムが整っていること
こうした「未来に向けて頑張れる根拠」を、生徒本人が自らの言葉で話すことが極めて重要です。自分の言葉でしっかりと伝える姿を見ることで、高校側は「この生徒なら入学しても大丈夫そうだ」と高く評価し、安心して応援してくれる可能性が高まります。
逆にいうと、保護者がその役割を代わりに果たすことはできないので注意が必要です。
個別相談で良い返事がもらえなかったら?
個別相談で「合格の目安(確約)」がもらえなかったからといって、その学校への入学を完全に諦める必要はありません。埼玉県の私立高校入試には、大きく分けて「1月入試」と「2月入試」の2つのルートがあり、評価の基準が異なります。
1月22日解禁の入試は「個別相談」が活きる
埼玉県の私立高校入試は、埼玉県私立中学高等学校協会の申し合わせにより、毎年「1月22日」が一斉のスタート日(解禁日)と定められています。1月下旬に行われる入試の多くは「推薦入試(単願・併願)」という位置づけであり、秋の個別相談で確認した「合格の目安(確約)」が合否に直結します。そのため、ここでは欠席日数や通知表の成績が事前に細かくチェックされます。
合否の出し方は高校によりますが、「個別相談で目安に届いてなかったらどうあっても受からない」ということではありません。当日の合格点に届いていれば合格することができます。
2月の「一般入試」は欠席日数が響きにくい「実力勝負」
一方、2月に行われる「一般入試(オープン入試)」は、事前の個別相談の評価を持たない生徒も受験する試験です。この2月入試では、過去の欠席日数や通知表の成績よりも、「入試当日のテストの点数」で合否が決まる実力勝負になる傾向があります。
- 1月入試(推薦):事前の成績・欠席日数 or 当日のテスト
- 2月入試(一般):当日のテストの点数(実力重視)
つまり、「欠席日数が多すぎて1月の入試では確約がもらえなかった」という場合でも、1月の入試にトライする価値はあります。そしてそこで落ちてしまったとしても、しっかり勉強して当日の学力検査で高い点数を取れれば、2月の一般入試で合格を勝ち取れる可能性があります。
学校によって入試の枠組みは異なるため、諦めずに募集要項の一般入試の条件を確認してみましょう。学力さえあれば、多くの私立高校も入学の道は開かれているのです。

■ まとめ
以上、埼玉県の高校入試において、不登校の中学生がどのようにして合格を勝ち取るか、制度面も含めて詳しく見てきました。
公立高校では、現在の中学1・2年生が受検する2027年度から、調査書の「欠席日数」が完全になくなるという非常に前向きな制度改革が予定されています。また、現在の中学3年生であっても、内申点や欠席日数を判定から除外してもらえる「特別な選抜」の枠組みが用意されており、過去の欠席が決定的な不利にならない仕組みが整っています。
一方の私立高校においては、秋に行われる「個別相談」が合格への重要なステップとなります。通知表に成績がついていなくても、北辰テストや英検といった客観的な実力を示すデータを持参し、生徒本人の口から未来への意欲を伝えることで、高校側から前向きな評価を得ることが十分に可能です。仮にここで良い返事がもらえなかったとしても、当日のテストの点数中心で合否が決まる「2月の一般入試」で挽回するチャンスが残されています。
不登校からの高校受験は、決して「無理な挑戦」ではありません。埼玉県には、過去のつまずきではなく、これからの頑張りを評価してくれるルートが複数存在します。
何といっても、高校でがんばりたいという意欲を、日々の学習につなげることが重要です。五教科の基礎学力さえ身に付ければ、埼玉県の高校入試はけっして難しいものではありません。
まずは焦らず、今の自分にできる準備を一つずつ進めてみてください。正しい制度の知識を味方につけ、ご自身にとって最適な高校への切符を掴み取れるよう応援しています。
■ 不登校からの高校入試(埼玉県編)よくある質問
■ 高校入試をがんばる不登校生、募集中
ということで今回は、不登校の中学生が埼玉県の高校入試(主に全日制高校)を合格する方法について考えてきました。ここまで読んでいただいた方にはご理解いただけたかと思うのですが、不登校の中学生が高校受験を突破するために必要なのは、内申書をよくすることではありません。
ひとえに、基礎学力を身につけること、特に五教科の中学内容をしっかり学ぶ(学び直す)ことに尽きます。
実は、私たちSchorbitは、高校入試に向けて自宅から勉強する中学3年生の支援プロジェクトを開始しました。
その名も、Schorbit REBOOT。
不登校でも高校からはがんばりたい。
高校入試に向けて日中、家で勉強したい。
中学校の学習内容に抜けはあるけど何とか勉強して取り戻したい。
そんな中学3年生(中学2年生の途中から参加可能)を応援します。
詳しくはREBOOT | 中学3年間の学び直しプログラムをご覧ください。
多くの中学生の参加お待ちしております。


