通信制から難関大に合格するための必要十分条件

■ はじめに ~理論上は「最強」なのに~
通信制高校の最大のメリットは、何と言っても「時間」です。全日制の高校生が朝から夕方まで学校の授業に拘束され、行事や部活に追われている間、通信制高校生はそのすべての時間を受験勉強に投資することができます。
単純計算すれば、授業ではない自主的な学習時間は全日制の2倍以上確保することができます。理論上、通信制高校生は全日制高校生よりも大学受験に圧倒的に有利であり、難関大合格率も高くなるはずです。
しかし、現実はそうなっていません。時間はたっぷりあるはずなのに、学力は全日制進学校の生徒には及ばない。そんな状況が続いています。
その原因は、多くの受験生やご家庭が「難関大に合格するために必要な要素」を見落としていることにあります。
結論からいえば、通信制高校生が難関大に進むためには伴走者と環境の2つが不可欠です。以下で詳しく解説します。
■ 本当に必要なのは「授業」でしょうか?
「難関大に入りたい。勉強しなくちゃ!」
そう思ったとき、真っ先に飛びつくのが学習塾や予備校です。特に「学び直し」から始めたい通信制高校生の場合、個別指導塾などを選ぶケースが多いようです。
(塾選びについては、以前、別の記事で解説しましたので、そちらもご参照ください)
その中でも述べていますが、通信制高校生と相性のいい大学受験対策サービスとしてよく挙げられるのは、東進・スタディサプリといった映像授業サービスです。
しかし、集団授業であれ、個別指導であれ、映像授業であれ、これらの「授業(Teaching)」に重きを置いたサービスは、必ずしも通信制高校生にとっての最適解とは言えません。
もちろんこれらは良質なサービスですが、学校ありきの「サプリメント」という側面が強く、通信制高校生にとっては、それだけだと主食から摂る栄養が不足してしまうからです。
そもそも予備校などのカリキュラムは、「朝から夕方まで学校に通い(=主食)、規則正しい生活と基礎学力を維持している生徒」が、放課後にプラスアルファで摂取するために設計されています。本質的にサプリメント(=補助)なのです。
通信制高校生の場合、「主食(学校での生活リズムや基礎学習)」が不足している状態です。その状態で、有名講師の生授業あるいは動画配信というサプリメントばかりを大量に摂取しても、身体には定着しません。
あくまで、「主食」あってこその「サプリメント」だからです。
生活リズムを整えること、一日のまとまった時間を勉強に充てる習慣をつくること。それがあって初めて、予備校や映像授業は効果を発揮します。
もし、それらのサービスを使っても学力が伸びないのだとしたら、それは授業の質が悪いのではなく、あなた自身に「主食」が足りていないのかもしれません。
■ 管理系サービスならどうか?
授業だけではダメだと気づいた人が次に選ぶのが、武田塾に代表されるような「授業をしない(自学自習を管理する)」タイプの塾や、オンラインコーチングサービスです。
「TeachingからCoachingへ」というのは、昨今、教育業界でよく目にする言い回しで、大きなトレンドになっています。
「生活リズムや学習習慣が乱れがちだから、強制的に管理してほしい」
通信制高校生が抱える自己管理の難しさを解決するという点で、この選択は、授業系サービスよりはずっと理にかなっていると言えます。さきほどの例でいえば「主食」を摂るためのサービスだからです。
しかし、ここにも通信制高校生特有の壁が存在します。それは「孤独」です。
全日制の進学校の生徒が学習に前向きなのは、こまめなメンタリングにより厳しく管理されているからではありません。生徒たちの間で、「あいつがやっているから、自分もやる」という、環境による同調圧力(ピア効果)が働いているからです。
一方、管理系サービスの多くは、講師と生徒の1対1の関係で完結します。
「講師をがっかりさせないために言われた通り勉強をする」
そんな動機だけで、1年以上の長期間、たった一人で勉強し続けることは可能でしょうか? できる人もいるにはいるでしょうが、精神的に非常に過酷であることは容易に想像できます。
多くの通信制高校生が失速するのは、能力不足ではなく、孤独による精神的なスタミナ切れが原因なのです。
つまり、管理系サービス(伴走支援)なるものは、必要ではあるがそれだけでは不十分なのです。
■ 見落とされている学校の機能とは?
整理しましょう。
- 時間: 通信制高校生には十分にある。
- 授業(Teaching): 塾・予備校・映像授業で手に入る。
- 管理(Coaching): 管理系のサービスで補える。
今の高校生は恵まれています。
毎日高校に通わなくても、これだけ多くのサービスが手に入るのですから。
それでもなお、難関大合格が難しい理由。それは、ツールでは代替できない「決定的なピース」が欠けているからです。
それは、全日制高校生が無意識に享受している「切磋琢磨する環境」です。
休み時間に友人と将来について語り合う。
模試の成績表やテストの結果を見せ合い、悔しがる。
「受験生なんだから勉強して当たり前」という教室の空気。
これら「隠れた学校機能」こそが、彼らの学力を底上げしているエンジンの正体です。通信制高校生の最大のハンデは、この「空気を吸えないこと」にあります。
■ サービスから環境へ
冒頭で述べた通り、通信制高校からの大学受験は、時間がある分、本来であれば有利なはずです。
しかし現実にはそうなってはいない。それは、ポテンシャルを発揮するための必須条件がそろっていないからです。
必要なのは、講師にマンツーマンで勉強の面倒をみてもらうことでも、良質な授業動画を探すことでも、より厳しく管理してくれる人を探すことでもありません。
それらも有効な手段ではありますが、土台となる条件が欠けたままでは、全日制高校生と同じパフォーマンスを発揮することはできません。
もっとも重要なのは、受験生として自分が身を置く場所(環境)を見つけることです。
授業だけでは不十分なのはもちろん、実はそこに伴走支援が加わってもまだ足りない。環境がそろって初めて、ようやく同じ土俵で戦えます。
「時間」という最強の武器に、「切磋琢磨できる環境」が加わったとき、通信制高校生は初めて全日制高校生を追い抜くことができるのかもしれません。
そして、それこそが、通信制高校生にとっての難関大合格への最短ルートといえるでしょう。
■ 1月からの「無料トライアル」について
改めてのご案内です。
2026年1月より、シン・ガッコウ Schorbitを開校し、Microsoft Teamsを活用したオンラインキャンパスをオープンいたします。おそらく日本初、難関大を目指す通信制高校生のために作られたオンライン進学校です。
この記事でいえば、伴走支援と環境をオンラインで提供することで、通信制高校や高校中退(高認)からの大学受験の最適解を提供します。
以下の無料登録を終えた方を対象とし、3月までは、すべての機能を無料でご利用いただけます。(以降は無料プランと有料プランに分かれます)
- 対象:大学進学を目指す通信制高校生や高校中退者(全日制高校生を除く)
- 内容:コミュニティ機能、オンラインHR、学習進路面談等
- 参加方法:コチラの無料登録のご案内ページより登録
- 費用:無料
※ 1月からのスムーズな参加のために事前登録をおススメします。
「自分に合う環境か確かめたい」「勉強のペースメーカーが欲しい」という方は、ぜひこの機会に第1期生としてご参加ください。
合わなければいつでも退会可能です。まずは新しい居場所を試してみることから始めてみませんか?
