不登校から大学受験を目指す場合におススメの学習塾は?

今回は、不登校の子どもが大学受験を目指す際、どの学習塾が最適かを考えてみます。

不登校の生徒の中には、高校卒業後、いきなり社会に出て働くことに抵抗を感じるケースも少なくありません。その場合、できれば大学への進学を……と考えるのは自然な流れです。

とはいえ、勉強のブランクもあって、とてもじゃないけど自力で一般選抜を戦い抜けるとは思えない。そんな人も多いことでしょう。

そうなってくると、学習塾や予備校に通うことは有力な選択肢になります。

ご存じの通り、学習塾や予備校のサービスは千差万別、しかもかなりの高額です。懐事情と相談しながら、子どもとの相性をみながら、慎重に選ぶ必要があります。(もちろん、どれも選ばずに自力で大学受験を目指すことも可能です!)

ここでは不登校の子どもという観点から学習塾等を分類しながら、具体的なサービスのご紹介をします。なお、実体験ではなくウェブサイト上でのリサーチを基にしています。また、ご紹介するのはどれも他社様ご提供のサービスであり、その中の特定のサービスをおススメするものではありません。

以下では、学習塾を ①個別指導塾 ②その他の塾(集団・自習支援) ③オンライン型 の3つの切り口に分けてご紹介します。


① 個別指導塾

個別指導塾とは?

学習が抜けている箇所があったり、通信制高校に通っていたりして、「学び直しから大学受験に向かいたい」と感じたとき、もっとも利用されるのが個別指導塾です。

個別指導は、明光義塾ITTO個別指導学院などに代表される全国に普及している仕組みですね。

講師と1対1、または1対2等の少人数で向き合うので、理解度に合わせて「どこまで戻るか、どこから伸ばすか」を柔軟に決められます。

費用の目安

個別指導塾はお近くにある方も多いでしょうし、集団を苦手とする不登校の生徒にとっても相性がよいものです。しかし、最大のネックとなるのは費用です。

大学受験の勉強というと、そこに費やす時間はかなりのものになりますから、そのすべてを個別指導塾で補おうとするとかなり高額になります。

  • 週1(60〜90分×月4回)… 月1.5〜3万円前後
  • 週2(120〜180分/週・複数科目含む)… 月3〜5万円台
  • 週3以上… 月5万円超

大学受験を本気で考えるなら、ここにある週3回でも学習時間は全然足りません。学習に向かうとっかかりとしては悪くありませんが、個別指導塾から大学合格を目指すなら、費用の問題はシビアに考える必要があります。

もう1つのネックは、校舎が細分化されているため、1つの校舎で大学受験に対応できるスタッフ数が限られていることでしょうか。(個別指導塾に通う子どものボリュームゾーンは高校受験層、つまり中3になります。)

代表例

以下では不登校や通信制高校生に向いている個別指導塾を3つほど紹介します。

● 東京個別指導学院・関西個別学院

ベネッセグループの個別指導塾で、明光義塾やITTOと並んで全国に多くの教室があり「通いやすさ」が強みです。大手塾の中でも不登校サポートというページが用意されておりましたので、不登校の生徒を専門にしているわけではありませんが、最初に取り上げました。

少し話が逸れますが、個別指導塾大手はほとんど通信制サポート校を運営または提携しているところが多いです。元々、事業形態として相性がよいため、そちらのサービスにも手を広げているということでしょう。(例えば明光義塾と明光義塾高等学院、東京個別指導学院とベネッセ高等学院など)

その点を踏まえると、正直なところ、大手の個別指導塾はどこを選んでも大差ないかもしれません。

自宅から通いやすいところを選ぶので問題ないでしょう。ただし、先ほど述べた事情により、難関大を目指す場合は不向きです。

向いているタイプ:

  • 勉強ペースを作り直したい
  • 通いやすく場所、話しやすい先生がいい

● 四谷学院

つづいて紹介するのは四谷学院

四谷学院は、個別指導塾と大学受験予備校のちょうど中間に位置しています。最近では、通信制高校を開校したり通信制高校からの大学受験をウェブサイトのトップページでも明言していたりと、不登校支援に注力しているように感じられます。

元々は習熟度を細かく段階別にして、基礎から受験レベルまで階段をつくるイメージのカリキュラムが特徴の予備校です。

向いているタイプ:

  • 基礎〜応用のステップを丁寧に積みたい
  • 少しでも上のレベルの大学を目指したい

● キズキ共育塾

つづいてご紹介するのはキズキ共育塾

この業界でも珍しい、不登校・ひきこもり・高校中退・通信制専用の個別指導塾です。

完全1対1で、学習面だけでなく生活リズムやメンタル面も相談できます。「学び直し+受験」を両立したい場合に安心してスタートできる選択肢です。

全国展開というほどではありませんが、大都市に1つといった規模で校舎が点在していますので、大都市へのアクセスが可能な方にとっては選択肢になるでしょう。

向いているタイプ:

  • 不登校期間が長く学び直しの量が大きい
  • 勉強以外の不安要素(コミュニケーションが苦手など)がある

②その他の塾

次に、個別指導塾以外の通学型学習塾をご紹介します。具体的にいうと、集団授業や、自習支援型の学習塾や予備校のことです。

学校に通えなかった期間があっても、「塾の教室に通える」という物理的なリズムが作れれば、学び直し+受験学力アップの道が開けます。個別指導塾だけでなく、集団授業型や自習支援型の塾も有力な選択肢です。

ただし、言わずもがなですが、「学校の教室で授業を受けられなかったのに塾なら受けられるの?」という問題があります。そういう意味でも、これらの塾は、不登校の抑うつ状態から回復した後の子どもに向いています。

特徴

  • 集団(同じペースの仲間)から「自分も頑張ろう」という刺激を受けやすい。
  • 自習室付き教室があると、塾が“勉強する場”になるため、家庭以上に集中できる環境が得られる。
  • 通学型であるため、通塾することで「生活リズムを学習リズムに重ねる」きっかけになる。
  • 受講ペースや科目選択・授業内容は個別指導ほど柔軟ではない。

費用の目安

通学型の塾も、通う頻度・講座数・教室設備によって幅があります。以下が目安になります。

  • 週1〜2回通学+自習室利用あり:月 約2万円〜4万円 程度。
  • 週3回以上・複数科目+テスト/模試対応あり:月 4万円〜6万円以上 のケースあり。

この手の塾は自習室を完備しているところも多いです。「通える日数・塾の開室時間・自習室の有無」まで確認して、実際に利用できそうなリズムか見ることが大切です。

代表例

以下では不登校や通信制高校生に向いているものを3つほど紹介します。

● 武田塾

1つ目から変化球のご紹介となります。

「日本初!授業をしない」塾を謳う、自習支援型の大手塾です。プロが自学自習を徹底管理するということですね。

「参考書で合格する」という方針のもと、やるべき内容と期限を細かく決めて、毎週の確認テストで定着度をチェックします。学校を離れていた期間があっても、毎日の勉強計画を塾が設計してくれるため、走り出しやすいのが魅力です。

ただし、武田塾は通信制高校生向けにつくられた塾ではないため、「学び直し」が専門ではありません。「集団でやるより一人でやる方が向いている」と考える全日制の高校生が中心となっています。

向いているタイプ

  • 自学自習が得意
  • 「サボれない環境」や教室という物理空間が欲しい
  • 大学受験に向けて精いっぱい努力したい

● 河合塾 COSMO

つづいては、言わずと知れた大手予備校の河合塾です。

大学受験業界では駿台、代々木ゼミナール、河合塾が老舗の大手予備校で、少し毛色の違うものとして東進ハイスクールZ会あたりがそれに加わる形です。

中でも河合塾は、河合塾COSMOという不登校・通信制・高認・中退からの大学受験に特化した通学型スクールを運営していますので、そちらをご紹介します。

ウェブサイトでの説明を読む限り、河合塾COSMOは、大手予備校が運営するフリースクールっぽい要素を兼ね備えた塾で、通学型で学習をリスタートしたい高校年代の生徒を対象にしています。

単なる予備校とは異なり、居場所づくり+学び直しに重点を置いており、学校に通えなかった期間がある人でも「教室に通える」「学びを再開できる」環境が整っています。(フリースクールっぽいということですね。)

もちろん母体となっている河合塾の大学受験科とも連携していて、大学受験に必要な教科指導や模試なども用意されており、進学を見据えた学習が可能です。ただし、そこまで利用するとかなり高額になってしまうようですが。

向いているタイプ

  • 集団授業や集団生活をそこまで苦手としていない
  • 学校を離れていた期間があっても、通える拠点が欲しい
  • 自分のペースで学びながら、受験準備も少しずつ進めたい

③オンライン型

最後にオンラインの学習塾やオンライン家庭教師をご紹介します。

通学が難しい方でも、自宅から受験準備を始められるのがオンライン型の強みです。オンライン型でまとめるのはかなり難しいのですが、ここでは個別指導タイプ・マッチングタイプ・講義動画タイプをご紹介します。

それぞれ、個別指導タイプは個別指導塾の代替、マッチングタイプは家庭教師の代替、講義動画タイプは集団塾の代替といえるかもしれません。

生活リズムに波があっても、まず「つながる」ことから学習を再開できるという意味で、学習のブランクが長い人にとってはここから始めるのがいいかもしれません。

他にも不登校から離れてもよければ、海外在住、離島在住など、さまざまな事情でオンラインしか選択肢しかないという方の利用も考えられます。

特徴

  • スマホやPCがあれば始められる
  • 通学時間がゼロなので効率が良い
  • 個別/映像/学校型など、選択肢が幅広い
  • 一方で、自己管理の難しさは残りやすい
    → 伴走フォローがどこまで整っているかが重要になります

費用の目安

  • 1対1マンツーマン(月4回×60分):約2万円前後から
  • 週2回以上+複数科目:3〜4万円台が目安
  • サービスの形態によって大きく異なる

代表例

● トライ オンライン個別指導塾

家庭教師のトライ学研といった大手がこの手のサービスに参入していますので、まずはそこからご紹介します。ここでは代表して家庭教師のトライのオンライン個別指導塾を取り上げます。

名は体を表すかのごとく、通学型の個別指導をそのままオンラインにしたスタイルです。講師とマンツーマンで顔を合わせながら進められるため、「やる気が出ない日でもつながればスタートできる」安心感があります。

なお、ここではオンライン個別指導として取り上げましたが、トライや学研といった大手は講義動画系のサービス(TryITや学研プライムゼミ)も提供しています。

向いているタイプ

  • 通学は不安だが、対話しながら勉強したい
  • 近くに個別指導塾がない

● マナリンク

オンラインで個別指導? それってもはや個別指導塾と家庭教師の区別がつかないのでは……と思った方は鋭いです。

実はオンラインには家庭教師のマーケットも存在しています。ここでご紹介するマナリンクなどがその代表例ですが、生徒とオンライン家庭教師のマッチングサービスのようなものです。

先ほど挙げたトライ等は、塾という教育機関が講師を割り当てて、カリキュラムも管理しています。それに対して、こちらはオンライン家庭教師各々がサービスを行っていて、ユーザーはその家庭教師を選ぶ形です。

生徒側が講師を「選べる」という柔軟性があり、教科・曜日・力量によって相性のよい先生に出会いやすい環境です。

向いているタイプ

  • 特定科目に苦手が大きい
  • 先生との相性を何より重視したい

● スタディサプリ 合格特訓コース

テレビCMなどでもおなじみの、「いつでも・どこでも」見ることができる講義動画タイプの代表といえばスタディサプリです。

中学の学び直しから高校の教科書レベル、さらに共通テストから国公立の2次対策まで、さまざまな難易度の講座が網羅されています。自分のペースで視聴しながら理解を積み重ねられるのが最大のメリットです。

講義動画はあくまで教材の延長ですから、誰かが「見ろ!」と背中を押してくれるわけではありません。自発的に勉強できるならこれで十分なんですが、それだけでは不安という人も多いかもしれません。

この手の講義動画も群雄割拠の様相を呈していて、先に挙げたTryITや、学びエイド、河合塾Oneなど様々あります。無料のただよびなんていうサービスもありますが、個人的にはそれもおススメです。(いい時代になりましたね。)

向いているタイプ

  • 自分のリズムで進めたい
  • 自分で学習管理ができる
  • 低コストで大学受験準備をスタートしたい

※通信制サポート校の役割は?

本記事では、前提として高卒資格(高校卒業または高卒認定試験合格)は得られるものとしています。

大学合格以前に高校卒業が危ぶまれる場合は、通信制サポート校の力を借りるのも1つの手です。ところで、通信制サポート校あるいは高卒認定予備校は大学受験学習塾の代わりにならないのでしょうか。

結論からいえば、大学受験に向けた準備を通信制サポート校に頼り切るのはおススメできません。

サポート校は、高校卒業(例えば単位修得)のサポートをする場所であって、大学受験に合格するための場所ではないからです。サポート校と学習塾では少々役割が異なります。

もちろん、現在の自分の学力や興味関心から入れそうな大学を紹介してもらうなど、一般的な進路指導はしてもらえます。それは大切なことですが、学力を伸ばして受験に向かうという、学習塾の役割まではサポートされていないのが通常です。


ここからは自社サービスの紹介になります。

この記事の発行元であるシン・ガッコウ Schorbitは、学習塾というより学校の代替を目指しているため、そもそもこのフレームには収まらないのですが、今回の③オンライン型サービスのフォーマットにあてはめると以下のようになります。

● シン・ガッコウ Schorbit

Schorbitは塾ではなく オンラインの進学校という位置づけです。授業だけでなく、教室コミュニティ・交流・生活リズムづくり・受験までの伴走をワンセットで提供します。

学習塾も予備校も、基本的には「大人が子どもに勉強を教える」ことがベースとなっていますが、そうではなくて、「場所」や「環境」の方に学校文化の役割を見出している点が特徴です。

向いているタイプ

  • 学習リズムも生活ごと立て直したい
  • 友だちや仲間とのつながりがある環境で頑張りたい
  • 大学受験まで自分を導いてくれる伴走がほしい

~ Schorbitのしたいこと ~

最後に宣伝を。

シン・ガッコウ Schorbitは、2026年1月からのサービス開始に向けて、すでに「事前予約を開始」しております。なんと、無料です。

Schorbitへのお申込みはコチラのページよりお願いします。

また、私どものサービスと関係なくても、お子様あるいはご自身の状況について個人的な相談も随時受け付けております。その際は公式LINEに登録いただき面談予約をお願いします。